高血圧

【年齢や危険因子に応じた目標設定】

一般的には血圧が、最高血圧140以上ないしは、最低血圧が90以上のときに高血圧といいます。
ただし、その人の年齢や他の危険因子(糖尿病、喫煙、肥満等の動脈硬化の原因となりえる因子)によって、治療を開始すべき血圧の値や目標とすべき血圧の値は変わってきます。
当院では高血圧ガイドラインに基づいてその点を十分に御説明した上で、患者さんと一緒に目標設定をしていきます。

最近では家庭血圧が重視されています。自宅で朝と夜に血圧を測定し、治療の参考にさせていただきます。

家庭での血圧の測り方

1. 椅子に腰かけ、リラックスする。

2. 付属の圧迫帯を腕に巻く。

3. 腕をテーブルにのせる(圧迫帯は心臓と同じ高さで)。

4. 落ち着いたら測定する。

5. なるべく2回測り、平均値を記入する。

測定時の注意点

朝は……起床後、1時間以内に測る・トイレは済ませておく・食事や薬を飲む前に測る

夜は……就床前に測る・座って1~2分リラックスした後に測る

高血圧症の9割以上が原因不明の本態性高血圧です。

本態性高血圧は30~40%の遺伝的要因、残りの60~70%の環境要因の関与が考えられています。

治療方法としては一般的にまず環境因子、生活習慣の改善(食塩制限・カリウム摂取・肥満解消・アルコール制限・運動療法・禁煙等)が行われ、これでも血圧が低下しない場合は、降圧剤による治療が行われます。
これらの生活習慣の改善や降圧剤の効果は、一人一人の患者さんごとで効果が異なります。 各個人に合わせて最適の治療を行う事が大切です。

高血圧のように多因子がその成因に関与する疾患では、遺伝因子と環境因子がその病態と治療にも密接に関連して関与してくる可能性が考えられてます。

ライフスタイルと高血圧

ライフスタイルとして食塩と高血圧の関係が明らかになりました。

食塩の制限の目標は日本高血圧学会の最近のガイドラインでは、6グラム未満となりました。
日本人の食塩摂取量はやや減少傾向にはあるが、1日平均11グラム~12グラムとまだ多い傾向にあります。
食塩制限の効果には個人差があるが、1グラム辺り約1mmHgの血圧効果が期待できます。

カリウム、カルシウム、マグネシウムは摂取不足が高血圧に関連します。
これらを多くとる事により、小さいながら血圧低下が期待できます。
果物と野菜、低脂肪の乳製品に富む食事はミネラルを豊富に含み、食物繊維やタンパク質も多く、最近のガイドラインで推奨されています。

【高血圧 予防の9か条】

  1. 塩分(Nacl)を控える
  2. アルコールは1日に1合まで
  3. 野菜は毎日
  4. 乳製品を毎日とる
  5. 肉より魚を多くとる
  6. 夜間の食事を減らす
  7. 20分から30分ほどの軽い散歩
  8. ストレスを減らす
  9. タバコを減らす

脂質異常症とは?

脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質が、正常値を超えて高くなった状態が続く病気です。
脂質は、細胞やホルモンの材料になったり、エネルギーを蓄えるなど、身体を作るうえで大切なものなのですが、増えすぎると身体に悪影響を及ぼします。
脂質異常症の症状自体は、痛みやかゆみなどを自覚できる症状がなく、治療をする必要性を感じにくいために放置されがちですが、血中のコレステロールや中性脂肪が多すぎると「動脈硬化」を引き起こしてしまいます。
そのまま放置すると、やがては「心筋梗塞」や「脳梗塞」などの危険な病気にかかりやすくなり、最悪の場合には「突然死」にもつながります。
脂質異常症には、悪玉コレステロール(LDL)が増えた血中の状態、善玉コレステロール(HDL)が減った血中の状態、中性脂肪(トリグリセリド)が増えた血中の状態を指します。

日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」2007年版より
脂質異常症の診断基準 血液検査内容
高LDLコレステロール血症 LDLコレステロールが高い(140mg/dL以上)
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロールが低い(40mg/dL未満)
高トコグリセリド血症 トリグリセリドが高い(150mg/dL以上)

【脂質異常症の原因】

脂質異常症は悪玉コレステロール(LDL)が増えた血中の状態、善玉コレステロール(HDL)が減った血中の状態、中性脂肪(トリグリセリド)が増えた血中の状態を指しますが、悪玉コレステロールが増える環境というのは、高コレステロールな食事を摂取したり、精神的ストレスが高い状態であったり、過労の場合も増えてしまいます。
善玉コレステロールが減る環境というのは運動不足や喫煙で、中性脂肪が増える環境は食事でエネルギーを摂りすぎると余ったエネルギーが中性脂肪(トリグリセリド)となって体内に蓄積されてしまいます。
特に、中性脂肪の高い人には、内臓のまわりに脂肪がたまる内臓脂肪型肥満が多くみられ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症、進展に大きく影響するといわれています。

高血圧や脂質異常症から動脈硬化症→脳梗塞・心筋梗塞へならないために

ストレスが多いと血圧があがり、血圧が高いことで血管が傷みやすい状態になり、ビタミンCやEが破壊されて善玉コレステロールが減ることにより、悪玉コレステロールが増加し(善玉コレステロールは増えすぎた悪玉コレステロールを除去する働きもあるのです)、血管が傷んだところに悪玉コレステロールや中性脂肪が沈澱、付着して、石灰化し、血液の流れを細くして、悪化すると血管を詰まらせてしまいます。
詰まるとその血管から先が血液が通らないことにより壊死してしまいます。
脳の血管ならば脳梗塞、心臓の血管ならば心筋梗塞を起こすのです。

ストレスが多い社会ですが、毎日、少しずつ、ストレスを減らすこと大切です。
減らせないストレスであれば、ストレスを発散できるような趣味や、一時的にもそのストレスから離れられる方法を探すとよいでしょう。
(ストレス発散するために、自分自身の身体に負担がかかることは避けたものが良いと思います)

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